佐賀 2019.02.13

森林浴どころじゃない! 木の匂いに囲まれる林業体験(非力でも問題なし)

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「キャンプに行かない?」

私はよく人をキャンプに誘います。

「虫が嫌い」「道具がないし、買うと高いし」「寒そう」などの理由でNGを出す人も多いのですが、キャンプでぜひ味わってもらいたいものがあるのです。

それは「におい」。

森のにおいを体いっぱいに吸い込むとそれだけでストレスから解放されて寿命が延びる気がするんです。

今回ご紹介するのは、キャンプではありませんが「森林のにおい」を思いっきりかぎまくれる林業体験です!

森を守ることは私たちの生活を守ること

主催は福岡県那珂川市の佐藤木材さん。自然との共生をキーワードに、林業について「正確な」情報を提供してくことを目的とする団体です。その一環として、林業体験を実施しています。

お邪魔したのは佐藤木材さん所有の山で、杉の木を切らせてもらいました。

集合場所から3分ほど車で移動して山に到着。そこから10分山を登った場所が今回の体験場所です。想像していたより住宅地から離れていない場所なのでびっくり。

※今回はこの場所でしたが、所有林は数か所あるので違う場所で開催される可能性もあるとのこと。

現地に到着したところで、安全に作業をするための心得、チェーンソーの使い方、林業の意義や重要性、木の特性などを教えてもらいます。

伐倒は林業の仕事の一つにすぎず、植林どの「森を管理する」ことすべてが林業の範疇になるそう。木の成長速度を考えれば、どうやっても世代をまたがなければならない仕事であるとわかります。「自分だけ儲かればいいんだ」っていう人には絶対できない仕事ですね。ずっと先を見て仕事をしているのです。

林業かっこいい! 大興奮の巨木伐倒

今回サポートに入ってくれた職人さんは4人。一人は女性です。マッスルボディーの男性にしか務まらない仕事だと思い込んでいたので意外でした。

まず職人さんがデモンストレーションをしてくれます。しかしなによりめっちゃかっこいい出で立ちにほれぼれ(笑)。

土方さんのものとは違うがっちりヘルメット、狙撃手みたいなイヤーマフ(で合ってるかな?)、腰に巻かれた工具を差す腰袋、編み上げのゴツいブーツ。女性職人さんもかっこよくて頼もしい!

これ、形からでも入りたくなるパターンのヤツです。

もちろん職人さんの技術にも圧倒されます。

まず倒したい方向(谷側)から木の直径の1/4ほどチェーンソーを入れます。さらに斜め上から切っていき、先程入れた切り込みにあたる部分で切り抜きます。口がパカっと開いたような形になります。これを「受け口」と呼びます。

杉の木に「受け口」を作ったところ。

まずこの「口」を作ります

次に真ん中までチェーンソーを入れて、木の中心にある繊維を断ち切ります。これが「芯抜き」という作業。これをしないと木が裂けてしまうんだそうです。

さらに山側からチェーンソーで切っていきます。これが「追い口」。受け口に向かって切ってきます。

そして最後に巨木がドーン! なんとものの1分ほどで伐倒完了。

木を伐倒する瞬間。向こうに見える林に向かって木が倒れていく画像

倒したあとは、重機(ユンボ)で木を持ち上げて枝を落とします。高速回転するタイヤのような機械がやってくれます。

そうしてキレイになった木を適当な長さに切り(ここも重機で作業)、トラックに積んで完了。

実は「職人さん、すげぇ!」ってなったのは、切った木の処理方法でした。枝打ちがめっちゃスピーディーだったり、ユンボで持ち上げた木をポーンと投げて狙った場所にに並べたり。これがまたかっこいい!

ではいざ体験へ!

参加者全員がチェーンソーを持たせてもらい、職人さんのサポートを受けながら木を切っていきます。もちろんサポートあればこそだけれど、チェーンソーは扱いもそこまで難しくなく、パワーがなくても伐倒自体はできます。

そして切り倒した木の切断面に自分の名前を書きます。一丁前に自分が伐倒した気がしちゃいますね!

切り口に名前を書きます!ユンボの操作にただただ感心

木のにおいが最高。リラックス&パワーチャージ

とにかく終始ずっと木のにおいに包まれていて、森の一部になっちゃったかのような気持ちになります。なんだか涙が出てきそうになるような。

理屈じゃなく、人は森と一緒に生きるんだなってスッと胸に落ちていきました。

何より印象的だったのは、職人さんみんながとても仲良くイキイキと楽しそうに仕事をされていたこと。森林への深い愛情が伝わってきました。

林業はもちろん危険を伴う仕事で、従事する人も徐々に減っています。だけれど木材生産のためだけでなく、森林の保全という面でも不可欠な仕事なのです。

ゲリラ豪雨が引き起こす土砂崩れを防止するためにも森の管理が必要。

それは誰がやっているのか考えたことがありますか? 林業は私たちの生活から遠い仕事ではないのです。

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