こんにちは。地域編集者の中濱颯です。
離島100島制覇シリーズ第3弾となる今回は100島巡った中でも特にオススメの離島トップ3をお伝えします!!
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日本は無人島を含めると国内6000島以上、有人島は400島以上あります。
その一島一島がそれぞれの地形・気候・風土を活かし独自の歴史・文化を築き上げてきました。
それは私達のご先祖様がさまざまな条件の中で懸命に生きられてきた証です。
そこに良いも悪いもありません。ただただ尊敬するばかりです。
どの島も本当に素晴らしいと思っています。
ですので今回取り上げさせていただくオススメの島は私が100島以上巡ってきた中で「特に印象に残る、ご縁をいただいた」島、という表現の方が正しいかもしれません。
島旅へ行く前に是非ご参照ください!!
オススメ離島①: 北海道 – 焼尻島 「日本のスコットランド」
焼尻島(やぎしりとう)は、北海道北部、留萌振興局管内の羽幌町の西約25キロの日本海に浮かぶ島で、人口約200人の小さな島です。
島内には多くの自然が残り、特にイチイ(現地ではオンコと呼ばれます)の原生林は、その厳しい自然環境から稀有な森林相を形成していることから「焼尻の自然林」の名称で国の天然記念物に指定されています。
心が解放される島内一周サイクリング
昨今、サイクリングが流行っており、サイクリングで町興しをする自治体も増えてきてますよね。
ここ焼尻島はそんな方におススメの島です!!!
焼尻島は小さい島なので、一時間半程度で島を一周することができ、気軽にサイクリングを楽しむことができます!!
大海原の海を観ながら大自然の中を爽やかな風がよぎり、本当に心の底から解放されます!!!
ただしアップダウンは激しいのでお気をつけください・・・
北海道は冬が厳しい分、夏は本当に爽やかで気持ち良いんですよね。
地域編集者としては一年に一回は北海道の空気に触れたいところです(地域編集者関係ないですね(笑))
焼尻島の幻の「羊」
ここ焼尻島にはたくさんの羊がいます。
羊!
羊!!
どこまでいっても羊です!!!
小さな島の中に羊が約200頭いるそうです。
人口が約200人なので人間:羊=1:1
焼尻島の風景をはよく「スコットランド」に例えられますが、それもよく分かる気がします(スコットランド行ったことありませんが)。
この羊は綿用ではなく、羊肉です。
北海道民はジンギスカンが大好きです。
少ない夏を楽しもうと暖かい季節になるとそこら中でジンギスカンBBQが行われます。
しかし、そんな羊肉大好きな北海道民でもなかなか食べられない幻の肉があるのがこの焼尻島なのです。
それが幻の羊肉「焼尻サフォーク」です!
サフォーク種はイギリス原産で、主に羊肉を取るために飼育されている肉用種。
四方を海に囲まれた焼尻島ではサフォークの天敵がいないため、ストレスのかからない環境の中、昼夜放牧されています。
また、潮風が運ぶ塩分やミネラル分が多く含まれた牧草を食べて育つため、肉質が柔らかく臭みも少ないのだとか。
そのため一流シェフ御用達の食材として全国に名前を知られる存在となり、洞爺湖サミットの食材にも採用されたそうです!
その年に生まれた仔羊だけ出荷されるのでとても希少なラム肉なのです。
まさに幻のラム肉!!
8月の第1土日は「焼尻めん羊祭り」があり、手軽にその味を堪能することができます。
焼尻島は小さい島なので一時間程度で島をサイクリングで気軽に一周することができます。
大自然の大海原に原生林、そして羊。羊に癒されながらとても開放的な気持ちになれます!!
是非行かれてみてはいかがでしょうか?
オススメ離島②: 東京都 – 三宅島 「地球の息吹が感じられる島」
東京都伊豆諸島の三宅島。
東京から約180キロ南に位置し、山手線の内側とほぼ同じ大きさで、周囲は約38キロで1日あれば車で島を一周できます。
人口は約2,500人で火山が活発な島で、2000年には全島民が避難しました。
ニュースでも話題になっていたので記憶にある方も多いと思います。
2000年の噴火では溶岩の流出はなかったものの、火山ガスや噴石の影響でなんと4年半もの間全島避難になってしまったそうです。
火山ガスは世界的にみても稀なくらい大量に放出されました。
泥流は地表の高さを数メートル変えてしまい、日本人として複雑な想いがよぎります。
こういったものを見ると火山というと「大変」とか「怖い」というイメージが浮かび上がりますよね。
しかし、火山とともに暮らしていると「私たちは生きている!」ということを直に感じることができます。
ここ三宅島は特にそれを感じることができる島なのです!
地球の息吹が感じられる島
地球が誕生して約46億年もの間、地球は様々な活動を経て現在の形になりました。
三宅島はその地球の生き様をまざまざと見せてもらえる島なのです。
それは三宅島を周るとすぐ分かります。
火山が起きるとマグマが流れ、溶岩が出来上がります。
そこに鳥や小動物がエサを取りこぼして種を溶岩の隙間に落とします。
隙間から草木が生え、草原が生まれます。
それが森へ変わり、作物ができ自然環境が整います。
さらに溶岩は海の中まで流れ込み、そこに湾ができます。
湾内は一定の温度を保つことができるので比較的温かくサンゴ礁が存在します。
サンゴ礁があると魚がやってきて魚の天国へ生まれ変わります。
溶岩はなだらかな地形を生み出します。
富士山がとても分かりやすいですね。
そのなだらかな地形のおかげで私達人間はそこに住居を構え、作物を育てることができます。
地球はこういった活動をずっと続けてきました。
三宅島はその活動の軌跡を目の当たりにする事ができます。
ちなみに三宅島には「迷子椎」という樹齢数百年といわれる、幹周り7.5メートル、樹高15メートルのスダジイが存在します。大路池周辺の密林に迷い込んでも、この大木を目標にすれば助かるから迷子椎と言われるそうです。
三宅島南部にあり、この辺りは火山の影響を受けず、深い森となっています。
ここに行けば火山にあっても死ぬことがない、という伝説も残っています。
さらにここは鳥の天国で世界中からバードウォッチングが好きな人が集まり、クルーズ船も寄るとか。
火山というとあまりよくないイメージがありますが、その分恩恵を授かっているのですね。
島民の方々とお話したところ、火山のことを疎ましくは思っておらず、火山と共生する覚悟を持っていらっしゃるからこそ、ずっと三宅島で生活し続けるんだなと感じました。
大自然に触れ、地球の恩恵を感じる。
三宅島は釣り、ダイビング、バードウォッチング等のアクティビティを体験でき、さらにイルカもおり、東京から比較的気軽に楽しめます。
火山と島と人々の共生を体感しに是非行ってみてはいかがでしょうか。
オススメ離島③: 鹿児島県 – 沖永良部島 「心を見つめ直すことができる西郷隆盛の精神と花の島」
鹿児島県奄美群島沖永良部島(おきのえらぶじま)
奄美群島の南西部に位置し、九州本島から南へ約552キロ、沖縄本島から北へ約60キロにあり、鹿児島県でありながら沖縄本島に近く、琉球文化の流れを大いに受けています。
和泊町と知名町の2町からなり、人口約13,000人の農業がとても盛んな島です。
海がとても綺麗で「沖永良部島ブルー」と言われ、透明度は20m以上当たり前と言われるほど絶品です!
また、ウミガメも沢山おり、一年中出会うことができ、5月からは島のあちこちの海岸にウミガメが産卵に上がってくるなど、大自然を味わうことができます。
さらにダイビングスポットも多くあり、海を求めて沖縄から沖永良部島に移住した、という方もいるほどです。
鹿児島県だけど限りなく漂う沖縄感!
奄美群島を巡って沖永良部島に行くと「沖縄になってきたなぁ」というのを肌で感じます。
沖永良部島南部の知名町に行くとシーサーが置かれている家も存在します。
日本一のガジュマルの木もあり、南国さを引きたさせます。
奄美を含めてもともと琉球王国なのですが、徳之島と沖永良部島の間に海峡があるため文化が異なるのだそうです。
民謡も琉球音階で、方言も琉球方言なんだとか。
奄美大島や徳之島に行ってもだんだん沖縄に近づく、と感じるのでですが、沖永良部島に行くと一気に沖縄になった!という感覚です。
ちなみに奄美大島の友人は甲子園は沖縄を応援するといっていました。
行政区は鹿児島でも心はやはり沖縄なのですね。
ちなみに沖永良部島にはハブは存在しないそうです。
花の島
沖永良部島は温暖な気候と適度な降雨で農業に適し、島には赤土の畑が広がっており、その特色を活かしてジャガイモやサトウキビ等もたくさん栽培されています。
(写真提供:山下芳也さん)
また、特産のテッポウユリ(エラブユリ)やフリージアなどの球根栽培、グラジオラスなどの花卉栽培が盛んで、3〜4月に訪れると花が咲き誇ります。
明治時代、沖永良部島の沖合で難破したイギリス人がユリの栽培を奨励したことから始まり、歴史は100年を越えます。
花の栽培がとても盛んで、テッポウユリの栽培は日本唯一です。
私が訪れた時期は9月でしたが、行く先々に花が咲き誇っていました!!
西郷隆盛の精神が詰まっている島
沖永良部島は幕末維新の立役者、西郷隆盛が遠島の刑を受けた地でもあります。
西郷隆盛は1862年、島津久光公の怒りに触れて流罪となり、沖永良部島で1年6ヶ月の牢獄生活を強いられました。
その牢獄跡が和泊港の近くにあります。
座禅を組む西郷隆盛のやせ細った姿が過酷な獄中生活を物語っています。
そんな苦境の中で精神を鍛錬して完成させたと言われる思想が「敬天愛人」です。
敬天愛人は沖永良部島で編み出したのです。
西郷がどんどん痩せていく様子を見かねた島民がご馳走を用意したり、座敷の中に牢を移築して雨風をしのげるようにしたと言います。
沖永良部島の島民の暖かさが伝わってくるエピソードですよね。
西郷は滞在中、島民たちに世話になったお返しとして、島の若者に聖賢の道について教えたり、飢餓の時のために、豊作時に穀物を高倉に保存しておき、凶作時に皆に支給する「社倉法」なども伝授し、島民の尊敬を集めたと言われます。
沖永良部島では未だに西郷隆盛が尊敬され、特に北部の和泊町はその精神を受け継ぎ、まじめな風土で医者になったりする方も少なからずいるそうです。
偉人を愛する風土って暖かく素敵ですよね。
ケイビングのメッカ
沖永良部島は隆起サンゴ礁の島で、全島ほどんどがサンゴ礁起源石灰石で覆われています。そのため地下には多数の鍾乳洞が存在しています。
近年ではその一部を全国有数のケイビングツアーとして探検できます。
私は恥ずかしながら島に行くまでその存在を知らず、行くことが出来なかったのですが気軽に昇竜洞に行くことができます。
とても神秘的で幻想的な地下世界が広がっています!
再度沖永良部島に渡航する際は必ずケイビングツアーに参加したいと思います!!
遠いからこそ心がリセットされる
沖永良部島は正直行きづらい島です。
鹿児島空港、那覇空港もしくは奄美大島から飛行機かフェリーでのアクセスになります。
東京・大阪・名古屋・福岡からは直行便がなく、時間がかかります。
ですが時間がかかった分、大自然に囲まれながらゆったりとした空気・雰囲気を味わうことができます!!
今まで色々な島を巡って来ましたが、東京から離れれば離れるほど、自分自身が東京を中心とした資本主義に囚われているなぁと感じます。
東京から離れた島々へ行くと、本当に心の底から解放されます。
日本人って真面目だから休んでいても心のどこかで仕事や人間関係のことを考えたりしますよね。
そういった物も心から解放されて、大自然を謳歌することができます。
ここ沖永良部島はありのままの風景が残っています。
こういった綺麗で雄大な自然を見ると、人間も自然・地球の一部なんだな、と心から実感します。
東京を中心とした資本主義の価値観ってなんなんだろう?
幸せってなんだろう?生きるってなんだろう?
などと心を見つめることができます。
そして島民の方々もとても優しく、とても良くして頂けるので心も豊かになります(本当にお世話になりました、、!)。
沖永良部島に行くと心がリセットされ、これからの自身の在り方、社会のあり方を考えさせられます。
これからの社会の在り方の答えが沖永良部島にはあるように思えます。
沖永良部島はまた必ず行きたい!!と思える場所です。本当に!!
是非日数をかけて大自然・海・ウミガメ・花に癒され、心をリセットしに沖永良部島へ行かれてみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回3つのオススメ離島をご紹介させて頂きました。
マニアックだったでしょうか?
そもそも知らない、という島もあったかもしれませんね。
しかし、知らないからこそまだまだ新しい発見をするという楽しみがあります!
まだまだご紹介したい島もありますがそれはまたの機会に。
皆さんもぜひお気に入りの島を見つけに島旅に行かれてみてくださいね!!
離島を体験してみたい方へ
様々な離島で様々な体験が提供されています。
島に遊びに行ってみようかなと思ったらぜひ気軽に行ってみて下さい。
きっと新しい価値観が発見できるはずです。