明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
2020年もそれぞれの地域が少しでも元気になることを祈りながらたくさんの地域や文化等を発信していきますのでどうぞよろしくお願い致します!!
2020年最初にご紹介する地域は北の大地、北海道。
北海道といえば知床、大雪山、釧路湿原など、雄大な大自然がどこまでも広がっており、うに、いくら、ほたて、かに等豊かな食材がたくさんある、国内でも屈指の観光地ですよね!!
筆者は実は2年間札幌に住んだ経験があります。
2年間住んだ結果、北海道民はデザイン力に優れているのではないか!?
北海道に行くとデザイン力が上がるのではないか!?と思ったのです!
どうして北海道はデザイン力が上がると思うのか?
そしてデザインを学びたい人にオススメの北海道デザインスポットもご紹介いたします!!
少々難しい話もあるので興味のない人は「北海道デザインおすすめスポット」からご覧くださいね。
【理由その1】 北海道開発の歴史
北海道に行くとデザイン力が上がると思う理由その1
いきなり難しい話で恐縮ですが、デザイン力が上がると思う理由のまず一つに北海道の開発の歴史が挙げられると思います。
(最後まで読んでくださいね(笑))
北海道はもともとアイヌ民族の土地でしたが、沿岸部の函館や小樽等を除き、札幌をはじめとした多くの街は明治維新後に開発されました。
明治維新後、開拓使の黒田清隆らが多くの外国人指導者を招聘しました。
(教科書に載ってるやつですね!)
「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」で有名なクラーク博士も外国人指導者ですね。
開拓使が招聘した外国の指導者の中で最初に来日し、最も影響を与えたと言われる人物がアメリカ合衆国政府農務長官をしていた「ホーレス・ケプロン」という人物です。
ケプロンは開拓使御雇教師頭取兼開拓顧問として道路建設・工業・農業など各分野で建設的な提言を行い、これらの施策が今日の札幌はもとより北海道の開発の基盤作りの原点となっています。
様々な実績がありますが、特に有名なものとしては麦作の奨励。
北海道は寒く、稲が育たないため、ケプロンは麦をつくることを奨励し、北海道ではパン食を推進すべきだと主張されました。
ケプロンが麦作を奨励したことは、後に開拓使麦酒醸造所(後のサッポロビール)が設立される遠因になります。
また、ケプロンは来日するにあたり、新種のイチゴやリンゴなど、果物の種や苗を持ってきました。当時の日本で果物といえばミカンとブドウと柿が中心でした。
今現在、私たちが当たり前に口にしているフルーツは、ケプロンによって日本にやってきたものも多いそうです。
さらにケプロンは牛ではなく馬を使った耕作や積極的な機械の導入など、アメリカ式農業法を徹底的に指導した結果、北の大地にはアメリカを彷彿させるほど広大で整然とした農地が出来上がったのです!
北海道の広大な農場はケプロンのお陰だったのですね!
つまり、外国人指導者、特にアメリカ人の大きな影響によって今の北海道は出来たのです。だから北海道の風景は外国に似た風景が広がっているのですね!
【理由その2】 欧米に似た気候・風土
北海道に行くとデザイン力が上がると思う理由その2
先ほど外国人指導者の大きな影響で北海道が出来たと書きましたが、開拓使達は当初から北海道開拓に必要なお雇い外国人を米国に求める考えでした。
また、直接の人選の衝にあった黒田清隆の旧知の仲森有礼という人物は気候風土の相似したニューイングランドの州を念頭においていたようです。
森有礼という人物は黒田清隆同様に薩摩藩出身の武士で、イギリスに密航するかたちで留学。外交官としては駐英公使、政治家としては初代文部大臣となり、一橋大学の前身である商法講習所も開設した人物です。
当時から似た気候風土を見ていたのですね。
今ほど交通機関がない時代にこの洞察力・・・
外国人指導者も凄いですが当時の日本人も凄いですね・・・!
ケプロンを始めとした外国人指導者の影響によって北海道は作られていきますが、その気候風土を活かして作られたものがあります。
ニッカウィスキー(北海道余市町)
数年前にNHK連続小説ドラマ「マッサン」で一躍有名になったマッサンのモデルでもあり、ニッカウィスキーを作った竹鶴政孝は1934年北海道余市町に「大日本果汁株式会社」が設立されました。
(略称から「ニッカ」の名称になりました)
なぜ北海道かというと、良質なウイスキーを製造するため。
ウイスキーの本場であるスコットランドに近い気候であったことが最大の要因だったそうです。
ウィスキーを製造するのにも北海道の気候が影響されているのですね!
スウェーデンヒルズ(北海道当別町)
札幌市の隣に当別町という町があります。
当別町には「スウェーデンヒルズ」という街があることで有名な場所です。
スウェーデンヒルズはウェーデンハウスしか建っていない、まるでスウェーデンにいるかと錯覚するほど日本離れしている丘で、現在約800人弱が住んでいます。
本当に日本じゃないみたいですね!!
1978年(昭和53年)ストックホルムに駐在していた元スウェーデン大使の都倉栄二氏が、当別町内のゴルフ場を訪れた際、偶然通った現在のスウェーデンヒルズのある丘を見て、「ここはスウェーデンの景色にそっくりだ」とおっしゃったそうです。
その一言が、まさにスウェーデンヒルズの歴史の始まりとなりました。
実は都倉元大使は、スウェーデン国王から「スウェーデンと日本の交流の足掛かりが欲しい」との依頼を受けており、偶然立ち寄ったここ当別町は、気候も風土もスウェーデンとよく似ており、そんなことから「ここにスウェーデンとの交流の拠点を作ってはどうか?」という提案に発展していきました。
そして1990年(平成2年)3月にスウェーデン国王が来訪しているそうです!
まさに北海道の気候風土が産んだ奇跡ですね!
こういったように、北海道いたの先人達は北海道のの気候風土を活かして懸命に活躍させていきました。
【理由その3】 北海道は自然とデザイン力が身につく環境
北海道に行くとデザイン力が上がると思う理由その3
筆者は2年間札幌に住んでいて、北海道はオシャレな場所が多いと感じました。それは自然とデザイン力が身につく環境になっているからなのだと思います。
綺麗に整備された街並み
大通公園を思い浮かべていただくと分かりやすいですが、札幌市の中心部や北海道の街並みは道路が碁盤の目のように綺麗に整備されているのは有名な話ですよね。京都の街を参考にまちづくりが行われたそうです。
また、北海道の街は建物に影響されてかとても調和された建物が多いと感じます。風景にマッチしたお店、カフェや家が多いですよね。
こんな景色を普段から見ていると自然とデザイン力が磨かれます。
とても趣きがある。
ライフスタイルをつくる新たな拠点となっている。
パステルカラーのような柔和な色使い
これは札幌に住んで気づいたことなのですが、北海道はパステルカラーのような柔和な色を使われることが多いのです。
これは太陽の光と自然の色が多いに影響されているのだと思います。
北海道の自然って柔和な色をしていますよね。
普段からそういった色使いを見ているため、自然とそういった色使いをするのだろうなと推測されます。
公共の場がとてもうまく使われている
そして、北海道は公共の場がとてもうまく使われているなと感じます。
例えば2011年に開通した札幌駅前通地下歩行空間。
札幌駅前通の真下にあり、札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅と大通駅の間をつなぐ地下空間で、「チ・カ・ホ」の愛称で親しまれています。
このチ・カ・ホの凄いところは広いスペースを利用してイベントが開催できるパブリックスペースを設けているところです。
市民の意見を行政が取り入れて道路に広場の条例を制定したのだそうです。
土日になるといつもイベントで賑わっています。
また、大通公園も雪まつりや夏のビアガーデンなど、広いスペースを利用してイベントが開催され、市民の憩いの場だけでなくパブリックスペースとして親しまれています。
北海道は空間の使い方がとても上手で、こういったことも自然とデザイン力が身についている要因の1つではないかと思っています。
北海道民の感性が自然と磨かれている。
こんな看板があるのも北海道ならでは。
次ページではオススメの北海道デザインスポット10選をご紹介!